宮城県老人福祉施設協議会
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宮城県老施協「災害時相互支援体制」の構築について

宮城県老人福祉施設協議会「災害時相互支援体制」の構築について

一 経緯

宮城県老人福祉施設協議会(以下「県老施協」という。)は、地震、風水害等の災害発生時に備え仙台市老人福祉施設協議会(以下「仙台市老施協」という。)と「宮城県・仙台市老人福祉施設協議会高齢者緊急ネットワーク(以下「老施協緊急ネットワーク」という。)協定を締結(平成20年6月30日)し、会員施設と協力して災害時における被災施設及び地域被災要介護高齢者に対する支援を行うことにしていたが、平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、被害が甚大かつ広範囲であったこと、更には多くの施設で老施協緊急ネットワークの存在自体が認識されていなかったこと等により、残念ながらこのネットワーク機能が十分に発揮されなかった。
この度、この反省を踏まえ、老施協緊急ネットワークを見直し、新たな実効性ある「災害時における相互支援体制」を構築することとしたものである。

二 災害時相互支援体制の構築 

1 目的

災害発生時には、高齢者福祉・介護施設(以下「施設」と言う。)自らが被災するだけでなく、多くの職員も被災することが想定される。こうした状況下において施設利用者の安全と安心して生活できる環境を迅速に確保するため、単独の施設や地域を超えた相互支援体制を構築することを目的とする。

2 災害時相互支援体制

(1)地区内相互支援体制
災害発生時における施設間の相互支援を図るため、あらかじめ宮城県内市町村を4地区に分け、地区内での相互支援体制を構築する。

ア 地区割り
4地区は以下のとおりとする。

地 区 名 構 成 市 町 村
県南地区

白石市、名取市、角田市、岩沼市、
蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、
柴田町、川崎町、丸森町、亘理町、山元町

石巻・黒川地区

石巻市、塩竃市、多賀城市、東松島市、
女川町、松島町、七ヶ浜町、利府町、
大和町、大郷町、富谷町、大衡村

大崎・栗原地区

大崎市、栗原市、
涌谷町、美里町、加美町、色麻町

登米・気仙沼地区 登米市、気仙沼市、南三陸町

 

イ 災害対策地区本部等の設置

(ア) 各地区に宮城県老人福祉施設協議会災害対策地区本部(以下「地区本部」という。)及び宮城県老人福祉施設協議会災害対策地区副本部(以下「地区副本部」という。)を常設する。
(イ)地区本部及び地区副本部は、当該地区に所在する県老施協役員施設をもって充てる。
また、当該施設の施設長は、地区本部長、地区副本部長となる。
(ウ)地区本部及び地区副本部の運営は、地区本部長、地区副本部長に任せる。
(エ)地区本部及び地区副本部となる施設は、別に定める。

ウ 地区本部長の役割

地区内における災害発生時の連絡体制、支援体制を事前に整備しておくとともに、災害発生時における情報収集(施設の被害状況、支援要請等)及び宮城県老人福祉施設協議会災害対策本部(以下「県老施協災害対策本部」という。)、他地区本部及び地区内施設への情報提供並びに支援活動を行う。
(ア)連絡体制、支援体制の整備
各地区において、地区連絡会の開催、災害時の対応についての訓練等により地区内の連絡体制、支援体制についての申し合わせ・確認を行うとともに、日頃の連携の強化に努める。
(イ)支援活動
①被災施設、県老施協災害対策本部、他地区本部から支援要請があったときは速やかに地区内施設と連絡調整のうえ支援活動を行う。
②被害が甚大である等災害の実態に照らし、被災施設が支援要請できない状況にあると判断するときは、被災施設からの支援要請を待たずに自主的に支援活動を行うとともに、この旨を県老施協災害対策本部に報告する。
③被害の規模、被災状況等から他地区からの支援が必要と判断したときは、直ちに県老施協災害対策本部に対し支援を要請する。
(ウ)状況等報告
県老施協災害対策本部に対し、施設の被害状況、支援要請事項、支援活動内容等について、施設被災等状況届(様式1)を提出するものとする。

エ 地区副本部長の役割

(ア)地区本部長と連携し、上記ウに記載する事項を行う。
(イ)地区本部が被災した場合、地区本部に代わりその役割を担う。

オ 施設の役割

災害発生時、被害のない、あるいは比較的被害の少ない施設は、以下の支援活動を行う。
(ア)近隣の施設の被災状況、支援要請等の情報を収集し地区本部に連絡する。
(イ)自施設でできる範囲内での支援活動を行う。
①被災施設、地区本部等から支援要請があったときは速やかに支援活動を行う。
②被害が甚大である等災害の実態に照らし、被災施設が支援要請できない状況にあると判断するときは、被災施設からの支援要請を待たずに自主的に支援活動を行う。
③支援活動は、災害発生直後の緊急対応としての支援から、その後の通常業務への復帰に向けた支援までを一定期間継続して行う。

カ 支援活動の内容
(ア)被災施設利用者の受入れ
(イ)被災施設への食料、飲料水等生活物資の提供
(ウ)災害応急措置に必要な物資の提供
(エ)被災施設への応援職員の派遣
(オ)被災施設利用者受入れ施設への応援職員派件
(カ)その他、被災施設から特に要請のあったもの

キ 県外で発生した大規模災害への対応
本県外で大規模災害が発生し県老施協災害対策本部を通して支援要請があったときは、地区内相互支援活動に準じ、可能な範囲で広域的支援活動に協力する。

ク 支援活動にかかる費用の負担
支援活動に係る費用の負担は、原則として次の通りとする。
(ア)被災施設利用者の受入れ 法的支援による。
(イ)物資の支援 県老施協と別途協議を行うものとする。
(ウ)職員の派遣 県老施協と別途協議を行うものとする。
ただし、宿泊場所、食事等の準備については、被災施設と支援施設との間で協議する。

ケ 災害時相互支援協定の締結
(ア)各地区内の会員施設間において上記事項を確認する協定(資料1)を締結し、相互支援体制を構築する。
(イ)協定の期間は、書面による協定締結の日から平成26年度通常総会開催の日の前日までとする。以後、通常総会において役員全員の改選が行われる都度、協定を更新する。

(2)広域相互支援体制

災害発生時、被害の大きい他地区間(県外を含む。)の相互支援を図るため、各地区間や各都道府県老人福祉施設協議会等(以下「関係機関」という。)との協定締結により、県老施協の広域相互支援体制を構築する。

ア 県老施協災害対策本部の設置
災害発生時、被害の大きい地区に対し広域的支援活動を迅速かつ円滑に実施するため、県
老施協災害対策本部を設置する。
(ア)県老施協災害対策本部は、県老施協事務局に置く。県老施協事務局が被災する等して機能しない場合は、適宜他の施設等に設置する。
(イ)県老施協災害対策本部には本部長、副本部長及び本部員を置く。
(ウ)本部長には県老施協会長を充て、副本部長及び本部員は本部長が指名する。
(エ)本部長は、必要に応じて有識者を本部員やアドバイザーとして委嘱することができる。

イ 県老施協災害対策本部長の役割
災害発生時の連絡体制、支援体制を事前に整備しておくとともに、災害発生時における情報収集(施設の被害状況、支援要請等)、関係機関との連絡調整及び支援活動を行う。
(ア)連絡体制、支援体制の整備
県老施協通常総会、災害対策研修会、災害時の対応についての訓練等を通し連絡体制、支援体制についての申し合わせ・確認等を行うとともに、日頃の連携の強化に努める。
(イ)支援活動
①被災施設、地区本部、関係機関からの支援要請に基づき、地区本部と連絡調整のうえ支援活動を行う。
②被害が甚大である等災害の実態に照らし、被災施設、地区本部が支援要請できない状況にあると判断するときは、被災施設、地区本部からの支援要請を待たずに自主的に支援活動を行う。
③支援活動は、災害発生直後の緊急対応としての支援からその後の通常の業務への復帰に向けた支援までを一定期間継続して行う。

ウ 支援活動の内容
(ア)被災施設利用者の受入れ
(イ)被災施設への食料、飲料水等生活物資の提供
(ウ)災害応急措置に必要な物資の提供
(エ)被災施設への応援職員の派遣
(オ)被災施設利用者受入れ施設への応援職員派遣
(カ)その他、被災施設から特に要請のあったもの

エ 県外で発生した大規模災害への対応
本県外で大規模災害が発生し、宮城県等の行政機関、関係機関から支援要請があったときは、県老施協災害対策本部長は地区本部長と協議して会員施設への支援に準じて広域的支援
活動を行うことができる。また、被害が甚大である等災害の実態に照らし緊急の支援が必要なときは、要請を待たずに県老施協独自の判断において自主的に広域的支援活動を行うことができる。

オ 支援活動にかかる費用の負担
支援活動に係る費用の負担は、原則として次の通りとする。
(ア)被災施設利用者の受入れ 法的支援による。
(イ)物資の支援 県老施協と別途協議を行うものとする。
(ウ)職員の派遣 県老施協と別途協議を行うものとする。
ただし、宿泊場所、食事等の準備については、被災施設と支援施設との間で協議する。

カ 災害時相互支援協定の締結
(ア)4地区間において上記事項を確認する協定を締結(資料2)し、県老施協相互支援体制を構築する。
(イ)協定の期間は、書面による協定締結の日から平成26年度通常総会開催の日の前日までとする。以後、通常総会において役員全員の改選が行われる都度、協定を更新する。

キ 関係機関との相互支援等協定の締結
(ア)仙台市老施協との相互支援協定の締結
災害発生時、被災施設等への支援活動を迅速かつ円滑に実施するためには、仙台市老施協との連携・協力体制を構築しておくことが大変重要である。今後、仙台市老施協との協議を進め、相互支援協定の締結を目指していく。
(イ)広域的支援活動に備え、県老施協と関係機関間での相互支援等に関する協定の締結についても推進していく。

3 災害時相互支援体制の運用

(1)所管
当分の間、東日本大震災被災施設復興委員会が所管し、システムの運用を行う。

(2)検証・見直し
災害時相互支援協定の内容は、協定の更新時期に合わせ検証を行う。
また、必要があれば随時見直しを行う。

(3)平時の備え
ア 毎年度通常総会において、災害時の相互支援体制について申し合わせ・確認を行う。
イ 各地区において定期的に情報交換の場を設け、連絡体制、支援体制等について申し合わせ・確認を行う。
ウ 県老施協、各地区災害対策本部は、災害対策研修、災害時対応訓練等を適時行う。
エ 施設における災害時用備蓄品、被害がない場合の被災施設利用者の受入れ可能人数等の情報を事前に把握・整理しておく。

(4)災害発生時における通信手段の確保
東日本大震災の教訓を踏まえ、災害発生時における通信手段の確保について、別途検討する。